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五重塔 心柱

地震に強い五重塔


 五重塔は、高層建築のため、落雷による焼失が一番多く、次に戦火、通常の火事による類焼の順番の理由で滅失しています。地震による五重塔倒壊の記録はありません。

五重塔の心柱は、
法隆寺五重塔(飛鳥時代)のように根元を地下に埋めた堀立柱のものや、日光東照宮五重塔(江戸時代)のように基礎石には据えられず四重層から吊り下げられて浮いている懸垂式の構法などがあり、五重塔によって違いがあります。

ただ、五重塔はどれも、心柱が、塔体の木造架構系から構造的に独立し、中空構造になっています。


地震に五重塔が強いのはなぜか???

・心柱が振子となって制振効果があるという説、

・心柱と塔体の振動が牽制し合って効果があるという説、

・一層ごとに互い違いにくねくねと揺れることで倒れないという説、

・釘を使わず、木組でできているので接合部には「遊び(余裕)」があるので力を吸収できるという説、


などなどの説があり、完全には解明されていません。

が、
心柱が全体の安定化に何らかのかたちで寄与していることになるでしょう。


東京スカイツリー

東京スカイツリーの話題の「心柱制振」では、中空構造をしていてその中に構造的に独立した柱をもっています。

質量付加機構という既知の原理によるものですが、五重塔に通じるものがあります。いまだ解明されていない日本古来の建築への敬意を込めて「心柱制振」と名付けているようです。


心柱が吊り下げられ基礎から浮いている日光東照宮五重塔の記事⇒

日光東照宮五重塔心柱



五重塔は地震では倒れないが、焼失した例は多い!

大阪の四天王寺の五重塔は、7回焼失し、現在は8代目の五重塔である。これが一番多く焼け再現された記録になる。

次に多いのは、京都の東寺五重塔、奈良の興福寺五重塔も6代目である。

ただ、焼失のたびに再建されるということは、再建する人たちの熱意の表れであろう。そのまま再興しなかった五重塔もたくさんある。

 

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