五重塔の建築


 五重塔は、まず心柱から建てて、次に廻りに12本の柱を建て、その上に台輪(桁)を乗せて各柱を固定する。

 その上に折枚を組合わせて野屋根を造り、心柱が継がれ、胴体が組み立てられる。

 塔の中の初層は、天井が張られているが、それ以上は天井もなければ床もなく空洞になっている。胴体は枡組によって積木を重ねたように積み重ねられる。五層目の組立が終わったら、 最後に相輪をたて、屋根を葺くのである。

 心柱は縦木を使っているのでまず収縮ということはないが、折枚で組立てられて出来た胴体は精巧に作られても出来上がると完成後、歳月がたつに従って、木の乾燥と加重によって沈下し、相輪と五層の屋根の間に隙間ができて雨漏りがするようになってしまう。

そこで、さまざまな工夫や処置がとられている。あらかじめ予想して、20センチの板を敷いて塔を組立てた。ところがまだ胴体が沈下してしまうので12センチも心柱の底部を切断したことなどの手が施されている。

京都 法観寺五重塔(八坂の塔) 心柱 

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(c)su 写真素材 PIXTAー

 

五重塔の建築には、20年から30年ぐらいかかっていたようである。その当時の高層建築はやはり大変だったのであろう。

30年かかり完成した山口瑠璃光寺五重塔
 

 

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